晩夏の入口

 2020年。
30代前半と呼べるのもあと少しとなった。
 
先日読んだ本に載っていた、英文学者 福原麟太郎という方のエッセイにある「四十の歌」の一節。
四十の歌は秋の歌である、蕭条として心が澄んでくる、あきらめのすがすがしさを身にしみて覚える。(中略)
天の定め給うたおのれの職分と、それに対する配分とは、これだけだったのかという見極めがつく、なにしろそれで落ち着いてくる

 

今、私の到達したこの30代の折り返し地点手前。季節で言うならば、晩夏へ差し掛かる頃だろうか。

エネルギーに富んだ季節の終わり、目に映るものが同じようで違う、少しずつ濃く深くなっている毎日の景色。
重ねた年月を枯れゆく秋冬に例えることを不快に思う方もいるだろうが、私は抜け出せぬ春も思い出に昇華できぬ夏も魅力を感じない。
実り多き秋、静寂に包まれる冬は、大人の世界。その世界観に合うように、自分を年相応の魅力をもった大人に変化させていきたい。
 
ここは、そんな風に考えながら、都会の片隅でひっそり暮らす女が散文を書き散らかすブログにする(予定)。
 
珈琲と酒とevian、本と映画、簿記と猫と植物。
そして、煌びやかではなく、普通に暮らす、東京が好き。
20代後半で上京してからずっと、特に何が起こるでもない普通の日々でも、全方面から見て多様性のあるこの場所が好き。
 
昔からブログという空間に色々な感情を吐き出してきたけれど、ここ数年余裕がなく更新が滞っていた。
自分の納得するような文章を好き勝手作って、自分のありふれた毎日の出来事や心情をそれっぽく書くことで自分の内面の整理をしていた。自己満足の極みだが、自分の日記にしまい込んでおくのとは似て非なる習慣を再開させようと思う。
 
 
とりあえず、澄んだ心持で秋を迎えられるように残り少ない夏を駆け抜けていく所存。
そういうことで、よろしくお願いします。